こんにちは!カイクンです。
今回は、営業職→フリーランスのWebデザイナーを経て、UIUXデザイナーへの転職を果たしたmoneさんに、キャリアチェンジまでの道のりについて詳しく伺いました。
これからデザイナー転職を考えている方に、具体的なイメージを持っていただければと思います。
※動画でよりインタビューの詳細を話しています。動画はBONOメンバー限定です。
──まず、簡単に自己紹介をお願いします。
「経歴がやや複雑なのですが、新卒でIT企業に入社し、SIerで5年ほど法人営業をしていました。その後デザイン会社に転職して、1年半ほど営業職として働きながら、副業でデザインの仕事も行いました。デザイン会社の退職後には、フリーランスのウェブデザイナーとして1年ほど仕事をして、その期間にBONOで勉強していました。そして、2024年の11月からSaaS企業でUIデザイナーとして働いています。」
──デザインを初めたのはいつ頃ですか?
「最初に始めようと思ったのは2021年くらいで、その後Webデザインスクールに1年間通いました。そして、2022年からデザイン会社の営業職に就きました。」
──その時点で、「デザイナーになろう」という気持ちはありましたか?
「その気持ちはあったんですが、2021年といえば、コロナ禍でキャリアスクールが流行っていた時期じゃないですか。なので未経験デザイナーとして転職しても良かったんですけど、求人も少なかったので、このタイミングでなるべきかどうかを考えていました。」
「ただ、Goodpatchというデザイン会社でカジュアル面談をしていただける機会があって、『デザイナーは難しいが、営業経験があるなら営業職として応募してみては』と言っていただいたんです。業界の中でも有名な会社だったので、良い機会だと思い入社しました。」
──Goodpatchでの経験はその後のキャリアに影響を与えましたか?
「とても大きな影響がありました。営業として働きながら、企画を考えたりディレクションの補佐をしたりする機会があり、プロジェクト全体の流れや進め方について多くを学びました。」
──その間も副業でデザインの仕事をされていたそうですね。
「はい。なるべく経験を積みたかったので、できる範囲でLPを作ったり、チラシやパンフレットを制作したりしていました。期間は1年半くらいです。」
──その後フリーランスになった理由を教えてください。
「Goodpatchで働きながら、デザイナーが様々な仕事をしている姿を見て『自分もなりたい』と思うようになりました。会社の仕事も忙しかったのですが、この状態を続けるより、一度退職して本格的に勉強した方がいいと考えました。」
「特にGoodpatchではUIUXデザインを多く手がけており、事業に貢献するようなデザインの考え方に触れて、とても面白いと感じました。それまでの自分にはなかったような考え方を得られたので、そちらの方向に進みたいと思い、会社を辞める時点でUIUXデザイナーになることを決めていました。」
──具体的にどのように準備を始めたのでしょうか?
「会社を辞める前の8-9月頃から、UIUXの勉強をするには何が良いかを調べ始めて、BONOに入会しました。『まずBONOのロードマップをやらなければ』という気持ちで始めました。また、前職でワークショップなどを経験していたので、UXについては若干知識がある状態でした。」
──BONOでの学習内容について詳しく教えてください。
「BONOのロードマップを進めながら、実際のクライアントワークも受けていました。当初は4月までにポートフォリオを作って転職活動を始めたいと考えていたのですが、知り合いのつながりで意外とリファラルで仕事をいただけることが多く、クライアントワークを優先することもありました。実際の仕事は自分の経験にもなるので、声がかかった仕事は基本的に受けていました。」
──具体的にはどのような仕事を?
「主にWebデザインの仕事です。ウェブサイトの制作や、フライヤー、パンフレット、チラシなどのデザインも手がけました。UI的な要素もありましたが、純粋なUIデザインの仕事は少なかったですね。」
「4月頃までは本当に忙しく、普通に働いていた時間が長かったのですが、その後は意識的に仕事を減らしてBONOでの学習時間を確保するようにしました。」
──ポートフォリオをまとめるフェーズに入るまで、どのくらいの期間がありました?
「ポートフォリオは4月くらいにまとめたかったんですが、全然終わらなくて。最終的にまとめ終わったのは8月くらいですね。」
──デザイン学習ではどんな工夫をしましたか?
「私はBONO以外でも、フリーランスとして仕事を受けていたので、それを通じて自分のレベルを上げていくよう意識しました。」
「また、実際に転職活動をしてみて気づいたことなのですが、ポートフォリオのために自主制作はもちろん、コンペに参加してみたり、色々やっていくと良いなと。」
──BONOの内容以外にも学習されていたそうですね。
「はい。BONOの内容は、情報設計などについては非常に充実していると思います。」
「ただ、色彩やフォント、タイポグラフィーといった表現のためのデザイン基本原則については、自分で補完して学ぶ必要があると感じました。これらは専門学校でも一つのカリキュラムになるほど膨大な内容なので、BONOだけでは網羅しきれていない部分もあります。そのため、興味を持った分野の本を購入して読むなど、自主的な学習も行いました。」
──ポートフォリオについて詳しく教えてください。
「BONOで作成した2つの制作物と、フリーランスでの実績約10件を載せました。BONOの制作物は、サービスをゼロから作るというテーマで制作した、iOSアプリと出張申請サービスです。特にiOSアプリは、カイクンさんのフレームワークに沿って制作過程を丁寧にまとめました。これは現在の会社の面接でも好評で、先輩デザイナーの方が『話を聞いてみたい』と言ってくださるきっかけになりました。」
──ポートフォリオはどのように作成したのでしょうか?
「Notionで作成し、エージェントやデザイナーの知人などにレビューをお願いしました。最初は情報量が多すぎたので、『読み手を意識した方が良い』というアドバイスをいただきました。特に重要なのは、ユーザーの課題と解決策を分かりやすく伝えることです。実は、10個もの実績を載せる必要はないかもしれません。多いに越したことはないですが、内容の質が重要だと感じています。」
──ポートフォリオの制作で気づいたことなどありますか?
「自主制作やクライアントワークでも、ユーザーの課題と解決策はわかりやすく書いたほうが良いと思います。作りたいものを作るのではなく、課題に対して考えたということを書くことが大事だと思います。」
「面接でもその点を指摘されました。『自分の想像ありきではなく、自分以外のユーザーの実際の課題に対して解決したものはありますか』といった質問を受けることが多かったです。本当にユーザーが持っている課題をファクトベースで見つけ、それに対して解決策を考えることの重要性を実感しました。」
──たしかに、難しいですがとても重要なポイントですね。
「そうですね。難しいですが、トライすることも大事だと思います。」
──最初の仕事の選び方についてお話いただけますか?
「はい。結論から言いますと、最初から正社員にこだわる必要はないと考えています。私も業務委託から始めましたが、それが良い経験になりました。」
「雇う側のリスクも低く、コストも抑えられます。駆け出しの時期は、スキルがない中で頑張らないといけないので、現場に入ると予想以上に大変です。私も今転職したばかりで大変だと感じています。」
「業務委託だと、正社員ほど重くない関係性の中で仕事ができます。正社員の場合は期待も高く、すぐにバリューを発揮できないと気にしてしまう人もいるかもしれません。業務委託なら、責任は持ちつつも期待値のコントロールがしやすいと感じました。」
──最初の仕事はどのように決まりましたか?
「最初の仕事は、会社を辞める直前に『なぜ辞めるの?』と聞かれた時に『デザイナーになりたくて』と話したことがきっかけでした。自分がデザイナーになりたいという思いは自分の中ではすごく大きなことでしたが、周りには伝えていなかったんです。」
「言ってみると、『じゃあ仕事あるからやってみませんか』と声をかけていただいたり、意外と仕事の機会をいただけることがありました。周りに自分の目標を伝えることの大切さを実感しました。」
「しかし、業務委託とはいえ、あまり報酬がもらえないので貯金も必要ですし、転職するにはそれなりの覚悟が必要ではあると思います。」
──moneさんが実践した気合の入れ方はありますか?
「長期的な視点でいうと、自分の年齢に合わせて、デザイナーとしてのキャリアプランとライフプラン(結婚や子育てなど)を書き出してみると良いと思います。」
「例えば、何歳までにデザイナーになって、何年目でどうなりたいのか。それと自分の年齢やライフプランをリンクさせて考えてみると、意外と時間が限られていることに気づきます。」
「そうすると『来年中には転職しないとまずい』といった現実的な焦りが生まれます。これは冷静に自分の状況を見つめ直すきっかけになりますし、転職活動の面接でも『何年後にどうなりたいか』といった質問は必ず聞かれます。会社によってはマネジメントを任せたいという思いもあるので、しっかりとした将来像を持っておくことが重要です。」
──即効性のあるモチベーションの上げ方はありますか?
「フリーランスという立場を活かして、意識的に時間を作るようにしました。仕事が舞い込みそうな時は対応しましたが、自分から積極的に取りに行くことは控えめにしていました。」
「特に重要だったのは、2-3日連続で制作に集中できる日を作ることです。週に2-3日は完全に制作に時間を使えるよう調整していました。」
「このように集中して取り組むと、1日でかなり進むんです。進むと楽しくなって、さらにモチベーションが上がります。1週間空いてしまうと、前回どこまでやったかを思い出すのに時間がかかってしまいますが、連続で取り組むことで効率的に進められました。」
──最後に、今後の目標を教えてください。
「現在、ベテランのデザイナーの方々と働く中で、まだまだ考える力が足りないと実感しています。サービスをどのような形で成長させたいのか、人々にどんな影響を与えるのかをもっと深く考えてからデザインする必要があります。今までは作る前の考える部分が足りていませんでした。」
「UIデザイナーとして、サービスの課題解決をしっかりできる存在になりたいと思っています。ユーザーの課題に対して解決策を考え、それをちゃんと作る部分に落とし込んでいく。そのプロセスを着実にこなせるデザイナーを目指していきたいです。」
──素敵な目標ですね。本日はありがとうございました!
「ありがとうございました!」
こんにちは!カイクンです。
今回は、営業職→フリーランスのWebデザイナーを経て、UIUXデザイナーへの転職を果たしたmoneさんに、キャリアチェンジまでの道のりについて詳しく伺いました。
これからデザイナー転職を考えている方に、具体的なイメージを持っていただければと思います。
※動画でよりインタビューの詳細を話しています。動画はBONOメンバー限定です。
──まず、簡単に自己紹介をお願いします。
「経歴がやや複雑なのですが、新卒でIT企業に入社し、SIerで5年ほど法人営業をしていました。その後デザイン会社に転職して、1年半ほど営業職として働きながら、副業でデザインの仕事も行いました。デザイン会社の退職後には、フリーランスのウェブデザイナーとして1年ほど仕事をして、その期間にBONOで勉強していました。そして、2024年の11月からSaaS企業でUIデザイナーとして働いています。」
──デザインを初めたのはいつ頃ですか?
「最初に始めようと思ったのは2021年くらいで、その後Webデザインスクールに1年間通いました。そして、2022年からデザイン会社の営業職に就きました。」
──その時点で、「デザイナーになろう」という気持ちはありましたか?
「その気持ちはあったんですが、2021年といえば、コロナ禍でキャリアスクールが流行っていた時期じゃないですか。なので未経験デザイナーとして転職しても良かったんですけど、求人も少なかったので、このタイミングでなるべきかどうかを考えていました。」
「ただ、Goodpatchというデザイン会社でカジュアル面談をしていただける機会があって、『デザイナーは難しいが、営業経験があるなら営業職として応募してみては』と言っていただいたんです。業界の中でも有名な会社だったので、良い機会だと思い入社しました。」
──Goodpatchでの経験はその後のキャリアに影響を与えましたか?
「とても大きな影響がありました。営業として働きながら、企画を考えたりディレクションの補佐をしたりする機会があり、プロジェクト全体の流れや進め方について多くを学びました。」
──その間も副業でデザインの仕事をされていたそうですね。
「はい。なるべく経験を積みたかったので、できる範囲でLPを作ったり、チラシやパンフレットを制作したりしていました。期間は1年半くらいです。」
──その後フリーランスになった理由を教えてください。
「Goodpatchで働きながら、デザイナーが様々な仕事をしている姿を見て『自分もなりたい』と思うようになりました。会社の仕事も忙しかったのですが、この状態を続けるより、一度退職して本格的に勉強した方がいいと考えました。」
「特にGoodpatchではUIUXデザインを多く手がけており、事業に貢献するようなデザインの考え方に触れて、とても面白いと感じました。それまでの自分にはなかったような考え方を得られたので、そちらの方向に進みたいと思い、会社を辞める時点でUIUXデザイナーになることを決めていました。」
──具体的にどのように準備を始めたのでしょうか?
「会社を辞める前の8-9月頃から、UIUXの勉強をするには何が良いかを調べ始めて、BONOに入会しました。『まずBONOのロードマップをやらなければ』という気持ちで始めました。また、前職でワークショップなどを経験していたので、UXについては若干知識がある状態でした。」
──BONOでの学習内容について詳しく教えてください。
「BONOのロードマップを進めながら、実際のクライアントワークも受けていました。当初は4月までにポートフォリオを作って転職活動を始めたいと考えていたのですが、知り合いのつながりで意外とリファラルで仕事をいただけることが多く、クライアントワークを優先することもありました。実際の仕事は自分の経験にもなるので、声がかかった仕事は基本的に受けていました。」
──具体的にはどのような仕事を?
「主にWebデザインの仕事です。ウェブサイトの制作や、フライヤー、パンフレット、チラシなどのデザインも手がけました。UI的な要素もありましたが、純粋なUIデザインの仕事は少なかったですね。」
「4月頃までは本当に忙しく、普通に働いていた時間が長かったのですが、その後は意識的に仕事を減らしてBONOでの学習時間を確保するようにしました。」
──ポートフォリオをまとめるフェーズに入るまで、どのくらいの期間がありました?
「ポートフォリオは4月くらいにまとめたかったんですが、全然終わらなくて。最終的にまとめ終わったのは8月くらいですね。」
──デザイン学習ではどんな工夫をしましたか?
「私はBONO以外でも、フリーランスとして仕事を受けていたので、それを通じて自分のレベルを上げていくよう意識しました。」
「また、実際に転職活動をしてみて気づいたことなのですが、ポートフォリオのために自主制作はもちろん、コンペに参加してみたり、色々やっていくと良いなと。」
──BONOの内容以外にも学習されていたそうですね。
「はい。BONOの内容は、情報設計などについては非常に充実していると思います。」
「ただ、色彩やフォント、タイポグラフィーといった表現のためのデザイン基本原則については、自分で補完して学ぶ必要があると感じました。これらは専門学校でも一つのカリキュラムになるほど膨大な内容なので、BONOだけでは網羅しきれていない部分もあります。そのため、興味を持った分野の本を購入して読むなど、自主的な学習も行いました。」
──ポートフォリオについて詳しく教えてください。
「BONOで作成した2つの制作物と、フリーランスでの実績約10件を載せました。BONOの制作物は、サービスをゼロから作るというテーマで制作した、iOSアプリと出張申請サービスです。特にiOSアプリは、カイクンさんのフレームワークに沿って制作過程を丁寧にまとめました。これは現在の会社の面接でも好評で、先輩デザイナーの方が『話を聞いてみたい』と言ってくださるきっかけになりました。」
──ポートフォリオはどのように作成したのでしょうか?
「Notionで作成し、エージェントやデザイナーの知人などにレビューをお願いしました。最初は情報量が多すぎたので、『読み手を意識した方が良い』というアドバイスをいただきました。特に重要なのは、ユーザーの課題と解決策を分かりやすく伝えることです。実は、10個もの実績を載せる必要はないかもしれません。多いに越したことはないですが、内容の質が重要だと感じています。」
──ポートフォリオの制作で気づいたことなどありますか?
「自主制作やクライアントワークでも、ユーザーの課題と解決策はわかりやすく書いたほうが良いと思います。作りたいものを作るのではなく、課題に対して考えたということを書くことが大事だと思います。」
「面接でもその点を指摘されました。『自分の想像ありきではなく、自分以外のユーザーの実際の課題に対して解決したものはありますか』といった質問を受けることが多かったです。本当にユーザーが持っている課題をファクトベースで見つけ、それに対して解決策を考えることの重要性を実感しました。」
──たしかに、難しいですがとても重要なポイントですね。
「そうですね。難しいですが、トライすることも大事だと思います。」
──最初の仕事の選び方についてお話いただけますか?
「はい。結論から言いますと、最初から正社員にこだわる必要はないと考えています。私も業務委託から始めましたが、それが良い経験になりました。」
「雇う側のリスクも低く、コストも抑えられます。駆け出しの時期は、スキルがない中で頑張らないといけないので、現場に入ると予想以上に大変です。私も今転職したばかりで大変だと感じています。」
「業務委託だと、正社員ほど重くない関係性の中で仕事ができます。正社員の場合は期待も高く、すぐにバリューを発揮できないと気にしてしまう人もいるかもしれません。業務委託なら、責任は持ちつつも期待値のコントロールがしやすいと感じました。」
──最初の仕事はどのように決まりましたか?
「最初の仕事は、会社を辞める直前に『なぜ辞めるの?』と聞かれた時に『デザイナーになりたくて』と話したことがきっかけでした。自分がデザイナーになりたいという思いは自分の中ではすごく大きなことでしたが、周りには伝えていなかったんです。」
「言ってみると、『じゃあ仕事あるからやってみませんか』と声をかけていただいたり、意外と仕事の機会をいただけることがありました。周りに自分の目標を伝えることの大切さを実感しました。」
「しかし、業務委託とはいえ、あまり報酬がもらえないので貯金も必要ですし、転職するにはそれなりの覚悟が必要ではあると思います。」
──moneさんが実践した気合の入れ方はありますか?
「長期的な視点でいうと、自分の年齢に合わせて、デザイナーとしてのキャリアプランとライフプラン(結婚や子育てなど)を書き出してみると良いと思います。」
「例えば、何歳までにデザイナーになって、何年目でどうなりたいのか。それと自分の年齢やライフプランをリンクさせて考えてみると、意外と時間が限られていることに気づきます。」
「そうすると『来年中には転職しないとまずい』といった現実的な焦りが生まれます。これは冷静に自分の状況を見つめ直すきっかけになりますし、転職活動の面接でも『何年後にどうなりたいか』といった質問は必ず聞かれます。会社によってはマネジメントを任せたいという思いもあるので、しっかりとした将来像を持っておくことが重要です。」
──即効性のあるモチベーションの上げ方はありますか?
「フリーランスという立場を活かして、意識的に時間を作るようにしました。仕事が舞い込みそうな時は対応しましたが、自分から積極的に取りに行くことは控えめにしていました。」
「特に重要だったのは、2-3日連続で制作に集中できる日を作ることです。週に2-3日は完全に制作に時間を使えるよう調整していました。」
「このように集中して取り組むと、1日でかなり進むんです。進むと楽しくなって、さらにモチベーションが上がります。1週間空いてしまうと、前回どこまでやったかを思い出すのに時間がかかってしまいますが、連続で取り組むことで効率的に進められました。」
──最後に、今後の目標を教えてください。
「現在、ベテランのデザイナーの方々と働く中で、まだまだ考える力が足りないと実感しています。サービスをどのような形で成長させたいのか、人々にどんな影響を与えるのかをもっと深く考えてからデザインする必要があります。今までは作る前の考える部分が足りていませんでした。」
「UIデザイナーとして、サービスの課題解決をしっかりできる存在になりたいと思っています。ユーザーの課題に対して解決策を考え、それをちゃんと作る部分に落とし込んでいく。そのプロセスを着実にこなせるデザイナーを目指していきたいです。」
──素敵な目標ですね。本日はありがとうございました!
「ありがとうございました!」
こんにちは!カイクンです。
今回は、営業職→フリーランスのWebデザイナーを経て、UIUXデザイナーへの転職を果たしたmoneさんに、キャリアチェンジまでの道のりについて詳しく伺いました。
これからデザイナー転職を考えている方に、具体的なイメージを持っていただければと思います。
※動画でよりインタビューの詳細を話しています。動画はBONOメンバー限定です。
──まず、簡単に自己紹介をお願いします。
「経歴がやや複雑なのですが、新卒でIT企業に入社し、SIerで5年ほど法人営業をしていました。その後デザイン会社に転職して、1年半ほど営業職として働きながら、副業でデザインの仕事も行いました。デザイン会社の退職後には、フリーランスのウェブデザイナーとして1年ほど仕事をして、その期間にBONOで勉強していました。そして、2024年の11月からSaaS企業でUIデザイナーとして働いています。」
──デザインを初めたのはいつ頃ですか?
「最初に始めようと思ったのは2021年くらいで、その後Webデザインスクールに1年間通いました。そして、2022年からデザイン会社の営業職に就きました。」
──その時点で、「デザイナーになろう」という気持ちはありましたか?
「その気持ちはあったんですが、2021年といえば、コロナ禍でキャリアスクールが流行っていた時期じゃないですか。なので未経験デザイナーとして転職しても良かったんですけど、求人も少なかったので、このタイミングでなるべきかどうかを考えていました。」
「ただ、Goodpatchというデザイン会社でカジュアル面談をしていただける機会があって、『デザイナーは難しいが、営業経験があるなら営業職として応募してみては』と言っていただいたんです。業界の中でも有名な会社だったので、良い機会だと思い入社しました。」
──Goodpatchでの経験はその後のキャリアに影響を与えましたか?
「とても大きな影響がありました。営業として働きながら、企画を考えたりディレクションの補佐をしたりする機会があり、プロジェクト全体の流れや進め方について多くを学びました。」
──その間も副業でデザインの仕事をされていたそうですね。
「はい。なるべく経験を積みたかったので、できる範囲でLPを作ったり、チラシやパンフレットを制作したりしていました。期間は1年半くらいです。」
──その後フリーランスになった理由を教えてください。
「Goodpatchで働きながら、デザイナーが様々な仕事をしている姿を見て『自分もなりたい』と思うようになりました。会社の仕事も忙しかったのですが、この状態を続けるより、一度退職して本格的に勉強した方がいいと考えました。」
「特にGoodpatchではUIUXデザインを多く手がけており、事業に貢献するようなデザインの考え方に触れて、とても面白いと感じました。それまでの自分にはなかったような考え方を得られたので、そちらの方向に進みたいと思い、会社を辞める時点でUIUXデザイナーになることを決めていました。」
──具体的にどのように準備を始めたのでしょうか?
「会社を辞める前の8-9月頃から、UIUXの勉強をするには何が良いかを調べ始めて、BONOに入会しました。『まずBONOのロードマップをやらなければ』という気持ちで始めました。また、前職でワークショップなどを経験していたので、UXについては若干知識がある状態でした。」
──BONOでの学習内容について詳しく教えてください。
「BONOのロードマップを進めながら、実際のクライアントワークも受けていました。当初は4月までにポートフォリオを作って転職活動を始めたいと考えていたのですが、知り合いのつながりで意外とリファラルで仕事をいただけることが多く、クライアントワークを優先することもありました。実際の仕事は自分の経験にもなるので、声がかかった仕事は基本的に受けていました。」
──具体的にはどのような仕事を?
「主にWebデザインの仕事です。ウェブサイトの制作や、フライヤー、パンフレット、チラシなどのデザインも手がけました。UI的な要素もありましたが、純粋なUIデザインの仕事は少なかったですね。」
「4月頃までは本当に忙しく、普通に働いていた時間が長かったのですが、その後は意識的に仕事を減らしてBONOでの学習時間を確保するようにしました。」
──ポートフォリオをまとめるフェーズに入るまで、どのくらいの期間がありました?
「ポートフォリオは4月くらいにまとめたかったんですが、全然終わらなくて。最終的にまとめ終わったのは8月くらいですね。」
──デザイン学習ではどんな工夫をしましたか?
「私はBONO以外でも、フリーランスとして仕事を受けていたので、それを通じて自分のレベルを上げていくよう意識しました。」
「また、実際に転職活動をしてみて気づいたことなのですが、ポートフォリオのために自主制作はもちろん、コンペに参加してみたり、色々やっていくと良いなと。」
──BONOの内容以外にも学習されていたそうですね。
「はい。BONOの内容は、情報設計などについては非常に充実していると思います。」
「ただ、色彩やフォント、タイポグラフィーといった表現のためのデザイン基本原則については、自分で補完して学ぶ必要があると感じました。これらは専門学校でも一つのカリキュラムになるほど膨大な内容なので、BONOだけでは網羅しきれていない部分もあります。そのため、興味を持った分野の本を購入して読むなど、自主的な学習も行いました。」
──ポートフォリオについて詳しく教えてください。
「BONOで作成した2つの制作物と、フリーランスでの実績約10件を載せました。BONOの制作物は、サービスをゼロから作るというテーマで制作した、iOSアプリと出張申請サービスです。特にiOSアプリは、カイクンさんのフレームワークに沿って制作過程を丁寧にまとめました。これは現在の会社の面接でも好評で、先輩デザイナーの方が『話を聞いてみたい』と言ってくださるきっかけになりました。」
──ポートフォリオはどのように作成したのでしょうか?
「Notionで作成し、エージェントやデザイナーの知人などにレビューをお願いしました。最初は情報量が多すぎたので、『読み手を意識した方が良い』というアドバイスをいただきました。特に重要なのは、ユーザーの課題と解決策を分かりやすく伝えることです。実は、10個もの実績を載せる必要はないかもしれません。多いに越したことはないですが、内容の質が重要だと感じています。」
──ポートフォリオの制作で気づいたことなどありますか?
「自主制作やクライアントワークでも、ユーザーの課題と解決策はわかりやすく書いたほうが良いと思います。作りたいものを作るのではなく、課題に対して考えたということを書くことが大事だと思います。」
「面接でもその点を指摘されました。『自分の想像ありきではなく、自分以外のユーザーの実際の課題に対して解決したものはありますか』といった質問を受けることが多かったです。本当にユーザーが持っている課題をファクトベースで見つけ、それに対して解決策を考えることの重要性を実感しました。」
──たしかに、難しいですがとても重要なポイントですね。
「そうですね。難しいですが、トライすることも大事だと思います。」
──最初の仕事の選び方についてお話いただけますか?
「はい。結論から言いますと、最初から正社員にこだわる必要はないと考えています。私も業務委託から始めましたが、それが良い経験になりました。」
「雇う側のリスクも低く、コストも抑えられます。駆け出しの時期は、スキルがない中で頑張らないといけないので、現場に入ると予想以上に大変です。私も今転職したばかりで大変だと感じています。」
「業務委託だと、正社員ほど重くない関係性の中で仕事ができます。正社員の場合は期待も高く、すぐにバリューを発揮できないと気にしてしまう人もいるかもしれません。業務委託なら、責任は持ちつつも期待値のコントロールがしやすいと感じました。」
──最初の仕事はどのように決まりましたか?
「最初の仕事は、会社を辞める直前に『なぜ辞めるの?』と聞かれた時に『デザイナーになりたくて』と話したことがきっかけでした。自分がデザイナーになりたいという思いは自分の中ではすごく大きなことでしたが、周りには伝えていなかったんです。」
「言ってみると、『じゃあ仕事あるからやってみませんか』と声をかけていただいたり、意外と仕事の機会をいただけることがありました。周りに自分の目標を伝えることの大切さを実感しました。」
「しかし、業務委託とはいえ、あまり報酬がもらえないので貯金も必要ですし、転職するにはそれなりの覚悟が必要ではあると思います。」
──moneさんが実践した気合の入れ方はありますか?
「長期的な視点でいうと、自分の年齢に合わせて、デザイナーとしてのキャリアプランとライフプラン(結婚や子育てなど)を書き出してみると良いと思います。」
「例えば、何歳までにデザイナーになって、何年目でどうなりたいのか。それと自分の年齢やライフプランをリンクさせて考えてみると、意外と時間が限られていることに気づきます。」
「そうすると『来年中には転職しないとまずい』といった現実的な焦りが生まれます。これは冷静に自分の状況を見つめ直すきっかけになりますし、転職活動の面接でも『何年後にどうなりたいか』といった質問は必ず聞かれます。会社によってはマネジメントを任せたいという思いもあるので、しっかりとした将来像を持っておくことが重要です。」
──即効性のあるモチベーションの上げ方はありますか?
「フリーランスという立場を活かして、意識的に時間を作るようにしました。仕事が舞い込みそうな時は対応しましたが、自分から積極的に取りに行くことは控えめにしていました。」
「特に重要だったのは、2-3日連続で制作に集中できる日を作ることです。週に2-3日は完全に制作に時間を使えるよう調整していました。」
「このように集中して取り組むと、1日でかなり進むんです。進むと楽しくなって、さらにモチベーションが上がります。1週間空いてしまうと、前回どこまでやったかを思い出すのに時間がかかってしまいますが、連続で取り組むことで効率的に進められました。」
──最後に、今後の目標を教えてください。
「現在、ベテランのデザイナーの方々と働く中で、まだまだ考える力が足りないと実感しています。サービスをどのような形で成長させたいのか、人々にどんな影響を与えるのかをもっと深く考えてからデザインする必要があります。今までは作る前の考える部分が足りていませんでした。」
「UIデザイナーとして、サービスの課題解決をしっかりできる存在になりたいと思っています。ユーザーの課題に対して解決策を考え、それをちゃんと作る部分に落とし込んでいく。そのプロセスを着実にこなせるデザイナーを目指していきたいです。」
──素敵な目標ですね。本日はありがとうございました!
「ありがとうございました!」
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